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| 1970年代より設計の始まった旧ソ連最初のワイドボディ機。プロトタイプは1976年と1977年に合計3機、イリューシン設計局でラインを使わずに組み上げられた。プロトタイプ3機による様々な試験を実施し、本来はモスクワオリンピックにあわせて1980年夏からの就航予定だったが、計画が遅れ間に合わなかった。1980年12月から路線就航。1991年までに106機が生産された。うち103機はアエロフロート・ソ連航空に納入され、1990年に生産された3機のみ中国新疆航空に納入されている。また、少数がアエロフロートから中国北方航空やパキスタンなどでもリース使用された。ソ連崩壊後は、ロシア、アルメニア、カザフスタン、ウズベキスタンの航空会社に使用され、現在はロシアの航空会社のみで、2008年現在30機ほどが現役を続けている。 |
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| ボディ幅は6.08mで、B747やB777よりも狭いが、3-3-3の9アブレスト配置が標準になっている。設計的には3-4-3の10アブレスト配置も可能である。座席数は想定350席(オールエコノミー、9アブレスト)で、L-1011と同様に機体中央部にオーバーヘッドストウェージがなく、シートはDC-10と同様に空気吹き出し口がある。また、トイレが客室最後方にある点も、L-1011を参考にしていると思われる。L-1011は当時としては先進技術を取り入れており、それを模倣するという、ソ連らしい設計であった。 |
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| この飛行機の特徴は、タラップからの搭乗がベースになっていることで、機体3箇所にあるタラップを上がり、荷物室に荷物を置いてから客室に上がる構造になっており、客室にあるドアは非常用となっている。しかし、昨今はボーディングブリッジを装備した空港も多くなったことや、荷物の紛失・盗難などが頻繁に起こったため、客室の非常用扉を乗降用に改造し、タラップは沖止めの際にのみ使用され、荷物は貨物室に積み込まれるように変わっている。 |
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| 開発当時は旧ソ連で高バイパス比のエンジンが設計できなかったため、Tu-154BやIL-62などで使用されたクズネーツォフ製NK-8エンジンをベースにしたNK-86エンジンを4基装備している。その結果、「DC-10のボディにB707の主翼」と揶揄されたほどエンジン出力が弱く、燃費が悪い機体となった。機体サイズに比例した燃料を積み込んでも、フルペイロードで3500km程度の航続距離しかなく、1993年に名古屋〜モスクワ間で運行されたチャーター便は、名古屋〜ハバロフスク〜イルクーツク〜モスクワと2回給油の為の着陸を行っていた。離着陸性能は旧ソ連の地方空港での離着陸も考えられており、2800mの滑走路での離着陸が可能である。 |
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旧ソ連諸国の航空会社を中心に、一度に大量の乗客を運ぶことができる点が重宝され、チャーター便や高需要路線を中心に活躍し、2002年にICAOの騒音規制によって西側諸国への乗り入れが禁止されるまで、欧州各地への路線に使用され続けた。その後もチャーター便などを中心に活躍したが、機体の老朽化による整備コストおよび、原油価格の高騰による運航コストの増大により、2005年頃より退役が進み、現在は生産数の2/3が引退している。現在運航している航空会社も、ウラル航空は2008年末での退役を発表している他、シベリア航空もチャーター便運航のみになっているなど、退役は進んでおり、間もなく姿が見られなくなる機体である。 「旧ソ連のジャンボ」と呼ばれるその姿は、「旧ソ連機の王様」とでも言うべき一種独特の風格があり、ワイドボディ機特有の迫力と、低バイパス比のエンジン音で、航空ファンを魅了する機体の1つである。 |
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